Fishmans 空中/宇宙
なんでまたベストなんだよ、と文句言いながらも発売日に購入。
目玉はやはりポリドール時代、「ナイトクルージング」以降の未発表曲、デモトラックだろう。
「ナイトクルージング」、「ずっと前」、「バックビートにのっかって」、「Weather Report」のデモトラックを聴いて驚かされたのは、デモの時点でほぼ曲自体はできあがっているということだ。
どういう意味で「できあがっている」かというと、まず、
(1)歌詞が全く同じ。曲として伝えたいことを最初に歌詞として完成させていたのだ。また、これは(生前)「宇宙 日本 世田谷」リリース時に佐藤氏が雑誌で歌詞先行でつくる(今時珍しい？)と言っていたことを裏付けるものだ。
(ちなみに、先日スペースシャワーで放送された1992年のライブを観るとアルバム収録前の曲の歌詞が大きく違っていた。初期の曲の方が逆に曲先行でつくられていたということか？)
(2)曲の構成もほぼ同じ。ドラムがミュートされる(抜かれる)ところ等、ミックス時にやられていそうな部分も曲ができた時点で決められていたのだ。これは歌詞、メロディー、構成等、全て含めて伝えたいことを楽曲として表現しようとしていたことがよくわかる。
(3)ギターのフレーズもかなりの部分がデモの時点からあった。
特に「ずっと前」のイントロや、アーミングをつかった特徴的なフレーズ等は、私はゲストギタリストの小暮晋也氏によるものだと思い込んでいた。
上記3点により、ほぼ「曲ができあがっている」と感じた。
これらのデモを聴くと、デモに忠実に、イメージを膨らませて最終的なサウンドをつくっていったことがよくわかる。
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